2018年06月18日

ログハウスの省エネ基準

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 2020年から300u以下の建物にも改正省エネ基準が適用され、国土交通使用が断熱構造化が困難とされている建物の中にログハウスも含まれていますが、昔ショールームとして八ヶ岳に建てたログハウス(ルブナー社:南チロル)は、日本より寒いヨーロッパ各地で建設されており、寒冷地仕様として断熱材を設置した外壁や屋根断熱材の補強で対応しています。

 昔建てたログハウスは、改正省エネ基準では8地域の沖縄にしか建設できませんが、日本各地に建設するためにはどの程度補強が必要かを知つておくため、新しい基準にあわせシュミレーションした結果、1〜3地域の寒冷地には、断熱二重壁などの設置が必要になり、4・5地域では、108mm幅のログ材や屋根断熱材の補強、6・7地域では84mm幅のログ材を使用することが確認できました。

 ルブナー社のログハウスは、雨戸付き木製サッシや大きな軒の出などと省エネ計算に有利な点も多くあり、これからログハウス建設を検討されている方のご参考にしてください。
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参考サイト
http://www.tirolhaus.com/rb/memo_bh/memo3.html
posted by tirolhaus at 16:18| ログハウスの勧め

2018年04月24日

ログハウスの雨漏り

 先日、再放送の2時間ドラマで目にとまった伊豆のログハウスは、建物の外観はきれいなハンドカットで内部も迫力のあるログ面壁に囲まれていましたが、ログのノッチ(交差部)に雨漏りによるシミが目立ち気になっていました。

 ログハウスには雨漏りなどの事故が多く、遠方へよく修理などに出向くことは業者の方からよく聞いており、インターネットで調べてみたところ、
「最大のデメリットは雨漏り」、「困った雨漏り」
など、多くのタイトルにヒットしました。

 私自身もショールームを兼ねたログハウスを25年前に立てて管理していますが、雨漏りを含む建物の事故はなく、外壁に撥水材などを自身で塗り足したのみで、まったく手間のかからない建物だと思っていました。他のログハウスとの違いを考えてみたところ、屋根の軒の出は深く(1.2m)、雨仕舞を無視し簡単に取付けている木製建具を保護しているだけと思っていましたが、建具だけでなくログ材のノッチからの雨漏りを防いでいたことにも気づかされました。

 屋根の軒の出を深くすることは土地の制限などもありますが、建物を雨漏りから保護するだけでなく太陽からの熱を外壁にあたる量を減らし省エネにもつながるなど、住まいとしてのメリットも多くなります。これからログハウスを検討されている方は、屋根の軒の出が大きくことをお勧めします。

 また、ログハウスの交差部や古民家など、無垢木材を表した建物の雨漏りによるのシミをそのままにしておくと、腐朽菌が増殖し木材にダメージをあたえ防腐処理が必要になります。私自身おこなっている簡単に処理する方法として、スプレーヘッドを付けた500ccペットボトルにホウ酸塩(防腐防蟻剤)の処理液を入れ常時備えておき、雨漏り見つかったら箇所に噴霧する方法で、シミの色も若干落ちました。

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※写真は深い軒の出のログハウス、20年経過した時点から黒く色焼けした外壁にホウ撥水材を加えたホウ酸塩防腐防蟻剤を水洗後に上塗り。

【防腐処理スプレーの作り方】
http://kominka.yanoss.jp/eco/01_dot/dot2_33work_500cc.html
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2015年06月06日

ログハウスの2020年省エネ対策

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N0.4の計算結果

 2020年の省エネ基準に基づく無料の外皮計算フォームを使用し、23前に建設した八ヶ岳のショールーム(マシンカット)をベースに基準にあわせたログハウスの外周壁補強方法を検討ログハウスの外壁補強方法をシュミレーションし、算出した暖房一次エネルギー消費量から年間灯油代で比較し、毎年の差額で建設増額を補足することを確認しました。
 快適に暮らすため省エネ基準が実施される2020年以前のログハウス建設にも検討していただければと思っています。

●建物概要
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建設地 長野県諏訪郡原村
構造 木造丸太組(Dカットログ t=92)
規模 地上2階(100.42u)、地下1階(71.75u)
地域区分 3  ※基準Ua値 0.56 w/uK
●ログハウスの断熱補強
        Ua値※1 判定  暖房消費量 年間灯油代(\100/Lとして算定)
        (w/uK)     (MJ/戸年)
基準値      0.56
1)現状の建設   1.04 不適合  78,651  \212,570  (差額)
2)壁断熱材 t=60  0.50 適合   49,161  \132,867  \79,703
3)壁断熱材 t=80  0.46 適合   46,362  \125,205  \87,365
4)壁断熱材 t=100 0.40 適合   42,129  \113,862  \98,708  ※屋根断熱120
※No.3,4は北海道など地域区分1の建設基準に適合

●参考 地域区分 6 (愛知県など)でのログハウス建設
        Ua値※1 判定 冷房期※2 判定
 基準値     0.87      2.8
1a)現状の建設   1.04 不適合  2.9 不適合
5)屋根断熱 t=160 0.87 適合   2.4 適合
6)ログ材 t=130  0.81 適合   2.5 適合

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●使用したシートとプログラム
1)外皮計算
「一般社団法人住宅性能評価・表示協会」作成
 外皮性能計算書(Ver 3.0)
 ※木造戸建て住宅(標準入力型) 2003gaihi_ver3.0.xls
2)一次エネルギー消費量計算
「国立研究開発法人 建築研究所」HP
 住宅・住戸の一次エネルギー性能の判定プログラム(Ver 1.14.1)
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注)U値とは熱貫流率のことで熱の伝えやすさを表した値で、[材料の厚さ]÷[熱伝導率]で算定
Ua値※1 :外皮平均熱貫流率 {W/(uK)}
冷房期※2:冷房期の外皮平均日射熱取得率

◆各値の計算レポートは八ヶ岳ホルツハウスセミナーに近日掲載
 http://tirolhaus.com/seminer/report1.html
posted by tirolhaus at 15:23| ログハウスの勧め